コラム

愛艇を長持ちさせる! ジェットスキー乗船後の「塩抜き(水洗い)」完全ガイド

海でジェットスキー(水上バイク)を楽しんだ後、絶対に欠かしてはいけない作業が「塩抜き(水洗い)」です。これを怠ると、塩分によって金属パーツが腐食し高額な修理費用がかかったり、最悪の場合は海上でエンジンが停止してしまうなど命に関わる重大な事故に繋がる可能性もあります。しかし「塩抜き」は、ただ外側に水をかければ良いというわけではありません。正しい知識と手順で行わないと、かえって大切な愛艇を壊してしまうケースもあります。そこで今回は、ジェットスキーに必要な「塩抜き」について、その重要性と怠った場合のリスクから、正しいフラッシング(水洗い)の手順、エンジンルームの清掃、塩害腐食防止剤(ソルトアウェイ)の正しい使い方までを徹底解説します。

<この記事のポイント>
・塩抜きの重要性:怠ると金属パーツが腐食し、高額修理や海上での重大事故に繋がります。淡水で乗った後も目詰まり防止のために必須のメンテナンスです。

・塩抜き(フラッシング)の手順:手順を間違えるとエンジン内部に水が浸入し、エンジンが故障します。「エンジン始動が先、水が後」が絶対の鉄則です。

エンジンルームの洗浄方法:エアインテーク(空気取り入れ口)に水が入ると故障します。ドレンプラグを開けて水が溜まらないように洗うのがポイントです。

・ソルトアウェイの正しい使い方:ミキサーが透明になるまで水を流し続けるのはNG! フラッシングの「最後の1分間」に使用し、防錆成分を内部に留めるのが正解です。

・快適なメンテナンス環境:自宅での作業が難しい方は、広い水洗いスペースとプロショップ機能を完備した「BQ-MARINA」の利用がおすすめです。

ジェットスキーの「塩抜き(フラッシング)」とは?

水上バイクにおける塩抜き(フラッシング)とは、船体の外観を洗うことだけを指すのではありません。エンジンの冷却系統や、ウォーターボックス(マフラー)の内部に真水(水道水)を通し、洗浄することを意味します。また、スーパーチャージャー(SC)搭載モデルの場合は、インタークーラー内の洗浄も併せて行います。

ジェットスキーは海水を吸い込んで進む推進力にしているだけでなく、エンジンの冷却にも海水を利用しています。そのため、見えないエンジン内部や排気経路にまで海水が入り込んでいる状態をリセットする必要があり、その作業が「フラッシング」です

なぜ塩抜きが必要なの? 愛艇を守る最大のメンテナンス

ジェットスキーにとって、海水に含まれる「塩分」は金属パーツを腐食させる最大の大敵です。もし海水が付着したまま放置してしまうと、あっという間にサビが発生し、腐食や劣化が進んでしまいます。エンジン内部で腐食が進めば、最悪の場合エンジンが故障して高額な修理費用がかかることになります。さらに恐ろしいのは、沖合を走行中に突然エンジンが停止し、自力で帰還できなくなるというケースです。命に関わる重大な事故に直結するリスクもあるので、海で乗った後は毎回必ず水洗いを行い、徹底的に「塩分を洗い流す」ことが不可欠です

また、塩抜きは海だけでなく、湖などの淡水で走行した後も重要です。冷却系統に砂やゴミなどが詰まるのを防止するため、淡水での使用後もその都度フラッシングを行うのが好ましいとされています。ジェットに乗った後には毎回しっかりと塩抜きを行うことこそが、トラブルを防ぎ愛艇を長持ちさせる最大のメンテナンスと言えます。

【超重要】エンジン冷却経路のフラッシング(水洗い)手順

水洗いの際、最も故障の原因になりやすいのが冷却経路のフラッシングです。間違った洗い方をしてしまうと、エンジンに重大な損傷を招くので注意が必要です。

順番を間違えるとエンジンが水没する!?

フラッシングで最も重要なルールであり、絶対に間違えてはいけないのが「エンジン始動が先か、水を通すのが先か」という順番です。正解は「必ずエンジンを先に始動し、後から水を通す」です。もしエンジンが停止した状態でホースから水を入れてしまうと、排気の圧力がないため、マフラーなどの排気経路からエンジン内部へと水が逆流し、水没状態になり確実に故障してしまいます。

基本のフラッシング(水洗い)5つの手順

上記のリスクを踏まえ、以下の正しい順番で慎重に作業を行いましょう。

1.【最優先】エンジンを始動する

周囲の安全を確認し、ホースから水を入れる前に必ず最初にエンジンをかける。

2.ホースを繋ぎ、水道の蛇口を開ける

エンジンの始動を確認したら、すぐに水道を開けてメーカー指定の水洗口(フラッシングポート)から水を供給する。

3.エンジンをかけたまま水を流す

アイドリング状態で水を流し、船体横の冷却水点検孔やポンプ、排気口から水が出ているか確認する。

 【メーカー別のアイドリング(水洗い)目安時間】
カワサキ艇: 5分以内
ヤマハ艇: 3分以内
シードゥ艇(SEA-DOO): 約90秒

4.【重要】水道の水を止める

指定の時間が経過したら、必ずエンジンはかけたままの状態で先に水を止める。(ここでエンジンを先に止めてしまうと水没の危険があるため注意してください)

5.空ぶかしをしてエンジンを停止する

水を止めた後、排気経路に残った水を抜くために軽く空ぶかし(3〜5回ほど)を行って、最後にエンジンを停止して完了。

船体(ボディ)とエンジンルームの洗浄ポイント

ジェットのフラッシングは、外観のボディだけでなく、エンジンルーム内部の塩分もしっかりと洗い流す必要があります。

船体の洗い方

カーシャンプーなどの中性洗剤を使用して、スポンジで優しく洗います。忘れがちな船体のフチの裏側(ガンネルの裏)や、ジェットポンプの中もくまなく洗いましょう。

エンジンルームの洗い方

エンジンルームも直接水をかけて洗う必要がありますが、絶対に「エアインテーク(空気取り入れ口)」に水が入らないように注意してください。ここから水が入るとエンジン内部に直行し、確実に故障します。洗浄する際は船体後方にあるドレンプラグを必ず開け、エンジンルームに水が溜まらないように排出させながら、水圧を弱めて様々な角度から全体を洗い流しましょう。

プロも実践! 水洗い後の「拭き取り」と「潤滑・防錆」

洗い終わったら、船体やエンジンルーム内に残った水分を徹底的に除去します。船体のフロントを持ち上げてドレンから水を抜くだけでは完全に抜けきらないため、スポイトや吸水性の高いスポンジ・タオル、ハンドビルジポンプなどを使って、底に溜まった水を一滴残らず拭き取ります。また、水分を拭き取った後は、必ず各金属パーツや可動部に防錆剤・潤滑剤(マリンガードや各種グリスなど)をスプレーし、サビの発生をガードしましょう。

塩害腐食防止剤(ソルトアウェイ)の正しい使い方

海でジェットスキーに乗った後、ただの水洗い以上に効果的なのが「ソルトアウェイ」などの塩害腐食防止剤を使用することです。ソルトアウェイとは、専用のミキサー(容器)に青縮された原液を入れて水道ホースと繋いで水を流すだけで、エンジン内部の塩分を強力に除去し、サビを防いでくれる便利なメンテナンスアイテムです。しかし、このソルトアウェイの使い方を多くの人が誤解しています。

よくある間違い:無色透明になるまで水を流し続ける

ソルトアウェイを「洗剤」だと思い込み、泡や液体の色が消えるまでしっかりと洗い流してしまう方が非常に多いのですが、これは完全に間違った使い方です。ソルトアウェイは汚れを落とす洗剤ではなく、「液体ワックス」のようにエンジン内部の金属表面をコーティングしてサビを防ぐ役割を持っています。そのため、透明になるまで水を流し続けると、せっかくの防錆成分まで全て流れ出てしまい、効果がなくなってしまうのです

正しい使い方「最後の1分」で流し込み、すぐに止める!

ソルトアウェイを使う上で最大のポイントは、防錆効果の高い「原液」をエンジン冷却経路の内部にたっぷりと留めておくことです。まずは通常の水洗い(フラッシング)を行い、「最後の1分間」になったらミキサーを通じてソルトアウェイの原液を流し込みます。原液が内部に行き渡ったら、色が薄まる前(1分以内)にすぐに水を止めます。このように、最後に濃い成分で内部をコーティングした状態のまま終わらせるのが、ソルトアウェイの正しい使い方です。

快適な水洗いは「BQ-MARINA」で!

自宅の駐車場でジェットスキーを水洗いするのは、スペースの確保や水圧の問題、近隣への騒音配慮など、非常に手間がかかります。愛艇のメンテナンスを快適に行うなら、設備が充実した「BQ-MARINA」の利用が最適です。

広々とした水洗いスペースと二本のスロープ

施設には大型ジェットも簡単に上げ降ろしできるスロープが二本完備されており、広い水洗いスペースで周りを気にせず念入りな塩抜き作業が可能です。

プロショップ併設でトラブルも安心

「AUTO SWAP湘南マリーナ」としてのプロショップ機能も備えているため、日頃のメンテナンスやパーツ・ケミカル類の購入、万が一の修理、船舶検査まで専門スタッフがフルサポートします。

セコム完備の艇庫で安心保管

水洗い後のジェットは、フェンスで囲われた艇庫へ。セコムの監視カメラや赤外線センサー、レーザーセンサーによる24時間監視システムを導入しており、開業以来盗難ゼロの実績を誇ります。

ジェットを水洗いした後は、シャワールームでサッパリと汗を流し、富士山が見える絶景のオープンテラスで手ぶらBBQを楽しむこともできます。正しい知識で塩抜き・メンテナンスを行い、来シーズンも最高のコンディションでジェットスキーを楽しみましょう! 艇庫保管の空き状況やメンテナンスのご相談など、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修したのは…

前沢 貴仁さん
1984年1月11日生まれ。日本ジェットスポーツ連盟(JJSF)所属。ジェット歴は22年で、ジェットスポーツ全日本選手権シリーズなど数々の大会で優秀な成績を収めるプロクラススタンドアッパー。2011年に「JJSF B SKI LTD」の年間シリーズランキング1位、2013年に「JJSF A SKI SLTD」年間シリーズランキング1位を取得した後、2014年に「JJSF PROクラス」に昇格。現在は当マリーナの「AUTO SWAP.F.R」ライダーとして活躍している。

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