コラム

ジェットスキーの給油、どうしてる? 初心者でも安心の正しい給油方法と注意点を徹底解説!

これからジェットスキーを始めたい、あるいは最近始めたばかりという方の中には、「ジェットスキーのガソリンってどうやって入れるんだろう?」「車みたいにガソリンスタンドで入れられるの?」と素朴な疑問や不安をお持ちの方も多いのでは? ジェットスキーを安全に楽しむためには、「給油」に関する正しい知識が大切です。間違った方法で給油してしまうと、思わぬ事故や環境汚染につながる可能性もあります。そこで今回は、ジェットスキーの燃料の基礎知識から具体的な給油手順、注意点までを徹底的に解説します。

ジェットスキーの燃料~ガソリンの種類~

初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-

車と同じように、ジェットスキーもガソリンがなければ動きません。ジェットスキーに使用されるガソリンは、主に「レギュラー」か「ハイオク(無鉛プレミアム)」の2種類です。どちらを使用するかは、お乗りのジェットスキーのメーカーやモデル、年式によって厳密に定められています。

  • YAMAHA(ヤマハ):モデルによってレギュラー、ハイオクの両方が存在します。
  • KAWASAKI(カワサキ):多くのモデルでハイオクが指定されています。
  • SEA-DOO(シードゥー):こちらもハイオク指定のモデルが中心です。

船艇に合った燃料の確認方法

まずは次の箇所をチェックして、自分のジェットスキーに合ったガソリンの種類を確認しましょう。

  • 取扱説明書を見る: 最も確実な方法です。必ず記載されています。
  • 給油口のステッカーを確認する: 給油口のキャップやその周辺に「無鉛プレミアム」などのステッカーが貼られていることが多いです。
  • 公式サイトで調べる: 各メーカーの公式サイトで、モデルごとの仕様を確認できます。

万が一、ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンを入れてしまうとノッキングなどのエンジントラブルを引き起こし、高額な修理費用が必要になることもあります。必ずメーカー指定の正しい種類のガソリンを給油してください

ジェットスキー給油の完全ガイド

ここからは、実際にジェットスキーに給油を行う際の手順を4つのステップに分けて解説します。安全に関わる重要なポイントばかりなので、一つひとつ確実にチェックしてください。

【ステップ1】携行缶にガソリンを用意する

初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-

車であればガソリンスタンドに乗り付けて、給油ノズルを給油口に直接差し込んで給油することができます。しかし、ジェットスキーの場合、その方法は原則として認められていません。これは「船舶安全法」や「消防法」といった法律で定められており、安全上の理由から、水上にある船舶への直接給油が制限されているためです。そこで必須アイテムとなるのが「ガソリン携行缶」です。ジェットスキーに給油する際は、ガソリンスタンドで携行缶にガソリンを入れてもらい、それを安全な場所まで運んでから本体に給油するのが基本となります

初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-

携行缶はホームセンターなどで購入できますが、必ず消防法に適合した金属製のものを選びましょう。近年は携行缶への給油条件がかなり厳しくなっています。ハイオクはステンレス、レギュラーは赤色と言うのが一般的なので、これに合わせて準備しておくのがおすすめです。容量サイズは10Lや20Lが一般的ですが、一日のツーリングで消費する燃料を考慮して余裕のあるサイズを選ぶと安心です。価格帯も様々ですが、水漏れや内部錆など「安かろう悪かろう」が出る商品と言えるので、それなりの物を用意するのが理想的です。

携行缶にガソリンを入れるには?

2019年に発生した「京都アニメーション放火殺人事件」でガソリンが悪用されたことをきっかけに、2020年2月1日から消防法に基づく規制が強化されました。これにより、現在ガソリンスタンドで携行缶へ給油する際には、本人確認や使用目的の確認、販売記録の作成が義務付けられています。これらの義務を果たすにはスタッフによる厳格な管理と作業が必要になるため、携行缶への給油対応自体を取りやめるガソリンスタンドも増加しています。とくにセルフスタンドでは対応していない場合が多いので、事前に電話などで携行缶への給油が可能かを確認することをおすすめします。

【ステップ2】給油前のチェックリスト

給油作業は、危険物である「ガソリンを扱う」ということを常に意識する必要があります。給油を行う際は、次の点を必ず守りましょう。

  • エンジンを停止し、十分に冷ます: ランディング後すぐに給油するのはNGです。エンジンや排気管が冷えるまで待ちましょう。
  • 静電気を除去する: 給油キャップを開ける前に、船体の金属部分に触れるなどして、身体に溜まった静電気を逃がします。これにより、静電気の火花がガソリンに引火する事故を防ぎます。
  • 火気厳禁を徹底する: タバコはもちろん、周囲で火を使っている場所がないか必ず確認してください。
  • 安定した場所を選ぶ: 必ず陸上の平坦で安定した場所で給油作業を行いましょう。

【ステップ3】ジェットスキー本体への給油

初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-

いよいよジェットスキー本体への給油です。給油する際は、以下のポイントに注意してください。

  • 給油口のキャップをゆっくり開ける: タンク内の圧力でガソリンが噴き出すのを防ぐため、キャップはゆっくりと回して圧を逃がしながら開けます。
  • 携行缶のエア抜きネジを緩める: 携行缶にもエア抜き用の小さなネジがあります。これを少し緩めることで、ガソリンがスムーズに出てきます。
初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-
  • ノズルを使い、ゆっくり注ぐ: 携行缶のノズルを給油口にしっかり差し込み、焦らずゆっくりと注ぎ入れます。吹きこぼしや傷を予防するため、このように養生してから給油するのがおすすめです。こぼさないよう細心の注意を払いましょう。
  • 満タンにしすぎない: 燃料タンクの8~9分目を目安に給油を止めます。満タンだと気温の上昇でガソリンが膨張し、給油口から溢れ出てしまう危険性があります。

【ステップ4】給油後の最終チェック

給油が終わった後のチェックも忘れずに行ってください。

  • キャップを確実に閉める: 給油口のキャップは「カチッ」と音がするまで、あるいは止まるまで確実に閉めましょう。走行中の振動で緩むと大変危険です。
  • こぼれたガソリンを拭き取る: 万が一ガソリンをこぼしてしまった場合は、船体の塗装を傷める原因になるので、吸収性の良いウエス(布)などですぐに完全に拭き取ってください。
  • エンジンルームの換気: 給油後すぐにシートを閉めず、少し時間をおいてガソリンの気化ガスを逃がしましょう。
  • 携行缶の保管:給油後の携行缶は、直射日光が当たる場所や高温になる車内には絶対に放置せず、風通しの良い涼しい場所で保管してください。

これはNG! 給油時にやりがちな危険行為とトラブル対処法

給油の方法が一通りわかったところで、給油時にありがちなトラブルや対処法についても確認しておきましょう。

  • 燃料の吹きこぼし: 給油中はエアー調整ネジを締めて、隙間から空気が入り込みノズルから大量のガソリンが流れ出るのを防ぎましょう。こぼれたガソリンは海や川を汚染するだけでなく、静電気やわずかな火種で引火する可能性があり非常に危険です。
初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-
  • 燃料の入れすぎ: 給油中はタンクを目視しながら、満タン近くになったら給油口からガソリンがあふれないように早めに給油を止めましょう。トレーラーなどに載っている状態で給油するのがベストですが、写真のように船体が斜めになっているとメーターが正常に作動しないので注意してください。
初心者でも安心の正しい給油方法 -BQマリーナ湘南-
  • 水の混入: 給油時に雨水が入ったり、タンク内の結露で水分が溜まったりすると、エンジンが停止するなどのトラブルにつながるため保管場所や給油時の天候にも注意が必要です。オイルジョッキがある場合は、携行缶からオイルジョッキに移してから給油するのがおすすめです
  • 古いガソリンの使用: シーズンオフなど長期間保管していたガソリンは、酸化して劣化しています。劣化したガソリンはエンジン不調の大きな原因になるので、シーズンインの際は新しいガソリンを使いましょう(長期保管の際は燃料劣化防止剤の使用も有効です)。

ジェットの給油やメンテナンスはプロに任せるのが一番!

ここまで読んで、「給油って意外と注意点が多くて大変そう…」「毎回重い携行缶を運ぶのはちょっと…」と感じた方もいるかと思います。そんな方は、私たち「BQ-MARINA」にお任せください!

面倒な給油から解放! 艇庫(保管)サービス

艇庫(保管)サービス -BQマリーナ湘南-

BQ-MARINAの艇庫保管サービスをご利用いただければ、給油の手間や携行缶の保管場所の悩みから解放されます。マリーナに到着したら、燃料がしっかり入ったベストコンディションの愛艇があなたを待っています。あなたがすることは、ただエンジンをかけて走り出すだけ。遊び終わった後も、給油や後片付けの心配なく、そのまま帰宅できます。この「手ぶらで来て、遊んで、帰るだけ」という手軽さは、一度体験するとやめられません。

メンテナンスもプロにまかせて安心!

ジェットスキーメンテナンス -BQマリーナ湘南-

安全にジェットスキーを楽しむためには、給油だけでなく、オイル交換やプラグチェックといった日頃のメンテナンスが不可欠です。BQ-MARINAには専門知識豊富なスタッフが常駐しており、あなたの愛艇を常に最高の状態に保ちます。エンジンの不調や少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

BQ-MARINAの魅力は、ジェットスキーだけではありません。広々としたBBQスペースをはじめ、バナナボートなどのマリンアクティビティ、汗を流せるサウナやプールもあるので一日中飽きることなく楽しめます。ジェットスキーの購入から保管、メンテナンス、そして最高の遊び方まで、私たちがあなたのマリンライフを全力でサポートします! レンタルジェットもあるので、ぜひお気軽に遊びに来てください♪

この記事を監修したのは…

前沢 貴仁さん
1984年1月11日生まれ。日本ジェットスポーツ連盟(JJSF)所属。ジェット歴は22年で、ジェットスポーツ全日本選手権シリーズなど数々の大会で優秀な成績を収めるプロクラススタンドアッパー。2011年に「JJSF B SKI LTD」の年間シリーズランキング1位、2013年に「JJSF A SKI SLTD」年間シリーズランキング1位を取得した後、2014年に「JJSF PROクラス」に昇格。現在は当マリーナの「AUTO SWAP.F.R」ライダーとして活躍している。

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