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ジェットスキー(水上バイク)が転覆したら? 対処法と再乗船のコツを徹底解説

ジェットスキー(水上バイク)に乗る際、「もしも転覆(沈没)したらどうしよう…」と不安を抱える人も少なくありません。それもそのはず、ジェットスキーの転覆は決して珍しいことではありません。急な波やカーブでバランスを崩せば、ベテランの方でも起こり得るものなのです。だからこそ、転覆時の正しい対処法と知識を知っておくことは非常に大切です。

そこで今回は、ジェットスキーが転覆・沈没してしまった際の初期行動から安全な再乗船までの手順を徹底的に解説します! ぜひ身につけて、より安全で楽しいマリンスポーツを満喫しましょう!

転覆・沈没直後の「初期行動」で安全を確保

ジェットスキー(水上バイク)が転覆したら? イメージ画像 

ジェットスキーが転覆した直後、人はパニックになりがちです。しかし、この数分間の行動がその後の安全を大きく左右します。まずは深呼吸をして、落ち着いて以下の3つのチェックポイントを確認してください。

【最重要】人の安否確認

自分自身が無事であることを確認できたら、すぐに同乗者や近くの人の安否を確認してください。全員が水面に浮いているのか、怪我をしていないかなど、声をかけ合ってお互いの状況を伝えあいます。また、転覆した衝撃でライフジャケットが緩んでいないか、正しく着用されているかも確認してください。ライフジャケットはあなたの命綱です

船舶(ジェットスキー)の損傷確認と燃料漏れの有無

転覆したジェットスキーの周りを泳いで一周し、大きな破損がないかをざっと確認します。とくに注意したいのは「燃料漏れ」です。燃料が漏れている場合は、引火や環境への影響を考慮し、むやみにエンジンを再始動させようとしないでください。まずは落ち着いて、救助を要請することが最優先となります。

エンジン再始動の「待った!」

「早く元の状態に戻して航行を再開したい」と焦る気持ちは分かりますが、転覆した直後にエンジンを始動させるのは非常に危険です。転覆したジェットは艇体内に水が浸入している可能性が高く、この状態でセルを回すとエンジン内部に水が吸い込まれる「ウォーターハンマー現象」を引き起こし、エンジンを致命的に損傷させてしまう恐れがあります。エンジンを始動させるのは、必ず艇体を正しい向きに戻して再乗船が完了した後にしましょう

ジェットスキーを正しい姿勢に戻す方法

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人命の安全が確保できたら、次は艇体を起こす作業に移ります。

起こすべき方向を確認する

ほとんどのジェットスキーには、水が浸入しないようにメーカーが指定した「起こすべき正しい方向」があります。艇体の後部やサイドに「この方向に起こしてください」という内容のステッカーが貼られているので、この指示に従ってエンジンルームへの水の浸入を最小限に抑えます。一般的に排気口(マフラー)や吸気口がある側は、下にしたり水につけたままにしたりするのを避けるべきです。もしステッカーが見当たらない場合は、ゆっくりと起こしてみて水が浸入する音がしないか注意深く確認しながら作業を進めてください。

転倒した艇体をゆっくりと起こす

ジェットスキーは重く感じますが、水面では浮力が働くため、正しい手順を踏めば一人でも起こすことが可能です。

  • 艇体の後方に移動: 艇体の後方にあるリアデッキ(プラットフォーム)側、つまり再乗船用のステップがある側へ泳いで移動します。
  • 体重をかける: 艇体の下部やレール部分をしっかりと掴み、自分の体重をかけてゆっくりと引っ張り上げます。急に勢いをつけて引っ張ると、また反対側に倒れやすくなるため注意が必要です。
  • 波の影響を避ける: 周囲の引き波やうねりがないか確認し、波の影響が少ないタイミングを見計らって作業すると成功しやすいです。

水の排出(ドレン)について

艇体内に大量に水が入ってしまった場合は、起こした後も航行せずに速やかにプロのメンテナンスを受けることを推奨します。軽度の浸入であればドレンプラグ(水を抜く栓)の位置を確認し、一時的に水抜きを行います。再乗船後はエンジンの力で水を排出する機能(セルフドレン)に頼るのが一般的ですが、不安がある場合は無理せず救助を要請しましょう。

海面からスムーズに再乗船するコツ

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艇体を正しい向きに戻せたら、いよいよ再乗船です。これもコツさえ掴めば簡単に行えます。

再乗船は必ず「艇体後方(リアデッキ)」から

再乗船で最も重要なのは「場所」です。ハンドルやシートのサイドから無理に乗り込もうとすると艇体が不安定になり、再び転覆したり艇の重心が崩れたりする可能性があります。再乗船は、艇体が最も安定している「後方(リアデッキ)」から行いましょう

ステップとグリップの活用

艇体後部にあるステップ(ラダー)に片足をかけ、リアデッキのグリップ(取っ手)をしっかりと掴んで腕を伸ばします。この時、艇体がグラグラしないように、しっかりと体重をかけて固定しましょう。ステップにかけた足で海面を強く蹴り上げながら、掴んだグリップに体重を預け、体をシートの上まで引き上げます。キックボードで漕ぎだすようなイメージです。

艇を安定させる乗り込み方

再乗船が成功したら、すぐに立ち上がったり急な操作をしたりせず、膝立ちなどの低い姿勢でバランスを取ります。この状態でゆっくりとエンジンを始動させ、低速で安定航行を再開しましょう。再乗船直後の急加速・急旋回は、再びバランスを崩す原因となります。

転覆を防ぐための予防策

転覆を防ぐための予防策 イメージ画像

転覆した際の対処法について知っておくことは大切ですが、最後にそもそも転覆しないための予防策についてもお話しします。

転覆の主な原因

ジェットスキーが転覆する場合の多くは、以下の要因で起こります。

  • 急激な旋回: スピードを落としすぎた状態や、大きな引き波の横を通過する際に、ハンドルを急に切るとバランスを崩しやすいです。
  • 斜めに波を乗り越える: 他の船の引き波やうねりを斜め方向から乗り越えようとすると、艇が不安定になりやすいです。波は正面から直角に乗り越えるのが基本です。
  • 体重の偏り: 同乗者との体重の偏りや、片側に寄りすぎた姿勢での走行も不安定さを増します。

転覆の原因になりそうな運転は避けるよう意識しましょう。

神奈川県平塚にあるBQ-MARINAでは、皆様に心からマリンスポーツを楽しんでいただくための環境とサポートを徹底しています。「ジェットスキーに興味があるけど、安全面が心配…」という方もBQ-MARINAなら安心です。レンタル艇はもちろん、お預かりしているオーナー様の艇も、プロの整備士が万全のメンテナンスを行っています。中古艇の販売も行っているので、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください!

この記事を監修したのは…

前沢 貴仁さん
1984年1月11日生まれ。日本ジェットスポーツ連盟(JJSF)所属。ジェット歴は22年で、ジェットスポーツ全日本選手権シリーズなど数々の大会で優秀な成績を収めるプロクラススタンドアッパー。2011年に「JJSF B SKI LTD」の年間シリーズランキング1位、2013年に「JJSF A SKI SLTD」年間シリーズランキング1位を取得した後、2014年に「JJSF PROクラス」に昇格。現在は当マリーナの「AUTO SWAP.F.R」ライダーとして活躍している。

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